NEW 009

098
Glenn LIGON,1960 -
グレン・ライゴン

Prologue Series #20

1993

オイルスティック、ガッシュ、グラファイト、紙

50.8 × 40.6 cm

裏にサイン、タイトル、制作年

額装

ESTIMATE : 
$27,800 - $48,600
CONDITION

良好。問題なし。
裏の下部にサイン、タイトル、制作年。
全体に若干のたわみあり。

DESCRIPTION

グレン・ライゴン (1960-) は、ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人コンセプチュアルアーティストである。絵画に主軸を置きながら、彫刻、写真、ネオンやビデオなど多様なメディアを横断して制作している。もともとは抽象画家を志していたが、1985年に、ホイットニー美術館のインディペンデント・スタディ・プログラムに参加。この頃より、作中にテキストや言葉といった要素を取り入れるようになる。それによりライゴンの芸術実践は、人種、セクシャリティ、アイデンティティといった題材を表現していくようになる。ライゴンの作品は、ホイットニー・ビエンナーレ(1991年、1993年)やヴェネチア・ビエンナーレ(1997年)といった国際展に出品されたほか、日本を含む各国の美術館、ギャラリーなどで個展が開催されている。また、オバマ大統領就任中には、ホワイトハウスへ作品が貸出されるなど、その評価は絶えない。

本作品《Prologue Series #20》は1990年代初頭に取り組んだ〈プロローグ〉シリーズの一環で、1993年に制作された。
本作は、アメリカ人作家ラルフ・エリソンが1952年に発表した『見えない人間 (Invisible Man)』から抜粋した一節が記されている。

「私は見えない人間である。いや、私はエドガー・アラン・ポーに取り憑くような不気味な男でもなければ、ハリウッド映画のエクトプラズムでもない。私は、肉、骨、繊維、そして液体からなる実体のある人間であり、心を持っているとさえも言えるかもしれない。私の姿が見えないのは、単に人が私を見ないだけのことなのだ…」

ライゴンは、この一説を、黒く塗られた紙の上にステンシルを用いて、自身の手で何度も塗り起こしていく。全面黒の画面上に微かな影隠でぼんやりと浮かび上がる文章は、アフリカン・アメリカンという自身のアイデンティティとその社会的立ち位置を示唆しながらも、主題に関する抽象的で曖昧な感覚を喚起する。本作は、ライゴンの芸術実践における初期の頃を代表する作品のひとつである。

YOU MAY ALSO LIKE

LOT024
李 禹煥 (リ・ウファン)LEE U-fan

Untitled

ESTIMATE:¥3,800,000 - ¥5,800,000

LOT097
アレックス・カッツAlex KATZ

Ulla in Black Hat

ESTIMATE:¥3,000,000 - ¥5,000,000

LOT104
ヘルムート・ニュートンHelmut NEWTON

David Bowie, Monte Carlo, 1982; 「Private Property」Suite II より

ESTIMATE:¥1,000,000 - ¥1,500,000

アセット 1