- CONDITION
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非常に良好。問題なし。
右下にサイン。
裏の木枠上部にサイン、制作年。
- DESCRIPTION
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1940年、高知県に生まれた美術家の合田佐和子(1940-2016)は、武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)で美術を学び、60年代の前衛美術運動を牽引した美術家らと近い距離感で親交を深めながらも、当時主流であったスタイルからは距離を置きつつ、独自のスタイルを確立していった。その作風は多岐に亘り、廃材を組み合わせたオブジェ作品から絵画や写真まで異なるメディアを開拓していった。
本作品《Untitled》は、73年に制作された22 x 27.3 cmから成る小さな絵画作品である。合田は、71年に当時婚姻関係にあった美術家三木富雄に引率する形でニューヨークへと短期滞在。偶然にも道端で拾った銀盤写真がきっかけとなり、帰国後に独学で油彩画を始めた。本作は、上述の一環で制作されたものであり、当時経済的な事情からモノクロ三原色での配色構成を余儀なくされた背景がありながらも、肩を寄せ合う二人の男女の秘密めいた親密さが絶妙な雰囲気と共に描写されている。本作品は、当時あった自由が丘画廊にて初発表された。自由が丘画廊は、1968年に画商実川暢宏によって開かれた画廊(98年に惜しくも閉廊)であり、当時、東京画廊や南画廊が、美術館や大企業の社長をターゲットに展開していったのに対し、同画廊は美術を一般の人たち向けへとを広げる仲介役を担った。
- PROVENANCE
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自由が丘画廊 (東京)