- CONDITION
-
良好。
ランプと掃除機としての機能を伴う。
裏面にサイン、制作年、"TOM SACHS 2/12/08 U.S.A"の文字。
- DESCRIPTION
-
合板で再現されたエルメスのバーキン《Gray Kelly Bag》や架空の宇宙船打ち上げ計画《Space Program: Mars》など半実用的な彫刻作品やインスタレーションで広く知られるアメリカ出身の現代美術家トム・サックス (1966 - )。サックスの作風は合板、発泡スチロール、塗料、ハードウェアなどの廃品や遺失物といった日常的な素材を継ぎ接ぎしたブリコラージュが典型的であるが、作中にはシャネル、マクドナルド、NASAといった実存するブランドのロゴを転用することがしばしばあり、サックスは既存象徴を自身のDo-it-yourselfの美学へと取り込むことで一種のパラレルワールドを形成する。またその背景には消費や欲望といった資本主義社会の本質への問いかけがあるとも享受できる。
防衛・航空事業を展開するレイセオン社のロゴがあしらわれた掃除機を彷彿とさせる装置の端に置かれた灰皿とその台座の上に鎮座する人形とライオンが印象的な本作品《Ashtray Lion》は、2008年にニューヨークのスペローネ・ウェストウォーターにて開催された個展「Tom Sachs: Animals」の一環として展示された作品で、ランプと掃除機としての機能を伴う。サックスは、自身の世界観の中に具象達を再配置することで我々の日常社会の中に潜む「動物的なもの」の存在を探っている。
- PROVENANCE
-
Sperone Westwater (ニューヨーク)
フィリップス (ニューヨーク)、2020年3月4日
個人蔵
- EXHIBITED
-
「Tom Sachs: Animals」2008年5月8日 - 6月21日、Sperone Westwater (ニューヨーク)