NEW 003

043
RICHARD Prince,1949 -
リチャード・プリンス

Untitled (portrait)

2014

インクジェット、キャンヴァス

167.0 × 123.8 cm

裏にサイン、制作年、Richard Prince Studioのスタンプ

ESTIMATE :
$41,400 - $62,100
CONDITION

裏の上部にサイン、制作年。
裏の左上にRichard Prince Studioのスタンプ。
画面の所々、角に擦れによる汚れあり。
下部中央にあて木による跡あり。

DESCRIPTION

アメリカの画家・写真家であるリチャード・プリンス (1949 - ) は、アプロプリエーションアートの先駆者の一人として、また「再撮影」という独自の制作プロセスを踏むことでよく知られている。
プリンスをはじめ、シンディ・シャーマン、バーバラ・クルーガー、マイク・ビドロなど、1970年代に活動を開始したアーティストたちは、ポップアートの先達とは異なる方法で大衆文化のイメージを消費、流用し「ピクチャーズ・ジェネレーション」として広く認知されている。ニューヨークに移り住んだプリンスは、元々タイムライフ社の出版物のカットサービスで働いていた。そのため、雑誌のページから切り取られた何千ものイメージや広告を手に入れることができ、それらを撮影して作品の構成に利用するようになる。そこには、マルボロ・カウボーイ、キャデラック、暴走族、セレブ、モデル、ソフトポルノなど、アメリカ文化の時代精神を捉えたイメージが用いられ、プリンスはこれらの資本主義のシンボルを解剖し、批評する。メトロポリタン美術館やMoMAをはじめ、欧米各地で大規模な展覧会を開催し、幅広い作品群を構築している。

プリンスは、インスタグラムのような新しいテクノロジーやソーシャルメディアによって、新たな形で素材にアクセスできるようになり、イメージを流用し続けることになる。2014年には、ニューヨークのガゴシアン・ギャラリーで、自身のインスタグラムのフィードから取り出した著名人、アーティスト、モデルなど38人のポートレートからなるシリーズ《New Portraits》を発表。インスタグラムの投稿をスクリーンショットしたプリンスは、その画像を拡大してキャンヴァスに描き、諷刺的なコメントや引用、ジョーク、脈略のない表現、絵文字などを組み合わせる。

本作品《Untitled (portrait)》(2014) は、このシリーズの1作品で、オランダ人モデル、ブレッヒェ・ハイネンのソーシャルメディア上の投稿をモチーフにしている。これまでのアプロプリエーション作品と同様、インスタグラム・プリントは、みるものにアート、著作権、著作権侵害の境界について喚起させる。

PROVENANCE

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