- CONDITION
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良好。
右下にサイン、制作年、左下に印。
裏の左下に印。
全体的にヤケと茶色い点あり。
- DESCRIPTION
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1937年、関西に生まれ育ち、大阪市立工芸高校(現 大阪府立工芸高校)で日本画を学んだ松谷武判。1963年から具体美術協会(1954〜72)に参加。66年にはフランス政府給付留学生として渡仏。以後、パリと西宮を往還しながら制作活動を続けている。カンバスに黒鉛を混ぜたボンドで生成された有機的な形態を象ったレリーフ作品シリーズは、現在に至るまで国内外で高い評価を得ている。最近では、2024年後半に東京オペラシティアートギャラリーで回顧展が開催されるなどした。
本作品《Untitled》は、1962年に制作された絵の具と接着剤によって描かれたドローイング作品である。松谷は、1962年よりビニール接着剤を用いて、現在にも精通する、素材そのものを形作るかのような有機的なレリーフ作品を作り始めた。これらの作品は、具体美術協会の吉原治良にも高く評価された。本作は、そんな松谷の作家人生の中で、極めて初期に制作された、その頭角を表す貴重な作品である。