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非常に良好。問題なし。
裏面の左上ににサイン、制作年。
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マルセラ・バルセロ(1992-)は、現在パリを拠点に活動する現代アーティスト。絵画、ドローイング、墨、和紙といったメディアを通して、「少女的な視線」と「儚く曖昧な自然の記憶」とが交差する幻想的な世界を描き出す。彼女の作品は明確な物語性を持たず、誰かの記憶だったかもしれない風景を通して、観る者の記憶や感情の深層にそっと触れる。墨と和紙で描かれた《Una storia tra gelosia e passione》(2024)には、“もののあわれ”や神道的感性が静かに息づいている。2015年にはパリの美術大学Beaux-Artsにて現代ドローイング賞を受賞。以降、Fondation Louis Vuitton、イビサ島現代美術館などに作品が所蔵されている。
アクリルとマニキュアを用いた130×140cmの大作である本作は、食虫植物ハエトリグサを通して、心に潜む渇望や不安を象徴するような、自然と無意識のあわいを視覚化している。マジョルカで育ち、山や海といった自然との深い結びつきを背景に持つ作家は、作品の中に自然と人間、記憶が交差する儀式的で無重力な場面を展開する。ひとり佇む人物や植物のモチーフは、観る者を静かに記憶の森へと誘い、本作のヴィヴィッドな色彩と浮遊感ある構図は、不思議でどこか危うい“異郷の森”への入口となっている。
- EXHIBITED
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「コールドフレーム」2023年3月31日 - 4月8日、Fabien Fryns Fine Art (東京)