良好。
証明書にサイン、制作年。
擦れ跡と汚れがあるがオリジナルコンディションと思われる。

ARATANIURANO作品証明書

坂本夏子（1983年生まれ）は、熊本県出身の現代美術家である。2009年に絹谷幸二奨励賞、2010年にVOCA奨励賞を受賞。2012年に愛知県立芸術大学大学院を卒業。国立国際美術館（大阪）、上野の森美術館（東京）、大原美術館（倉敷）など、国内の主要な美術館で作品の展示と収蔵されてきた。学生時代の恩師、設楽知昭氏の下で、イメージの模倣ではない予想し得ないものを立ち上げるにはどうしたらいいのか、〈絵でしか表せない世界〉を追求してきた。結果的にそれは、現在にも精通する、一度描いたところには戻らず、生成される細胞のように画面の端から絵の具を置く手法へと辿り着く。その作品は歪んだ空間と分身のような女性像によって描かれる迷宮的な作風が特徴である。
本作品《テーブルの下》は、2016年に制作されたテーブル、ペーパークレイによる彫刻、そしてカーペットによって構成されたミクストメディアの作品である。絵画を主軸に制作を続けてきた作家にとって、本作は極めて稀な立体作品であり、作風の中でも異色の存在と言える。本作は、まるで坂本の世界観がそのまま現実に立ち上がってきたかのような、不思議な臨場感とファンタジーを帯びており、作家の表現領域の拡張を示唆している。