NEW 008

039
TAKAMATSU Jiro,1936 - 1998
高松 次郎

ブラシの影 No.182

1967

油彩、木、フック

65.0 × 54.0 cm

裏にサイン、タイトル、制作年

ESTIMATE :
$25,400 - $44,400
CONDITION

裏の上部にサイン、タイトル、制作年。

全体的に経年による変色と薄いひび割れ、小さな斑点状のシミあり。
四方の角と縁に小さなアタリあり。

DESCRIPTION

1960年代に「山手線事件」(1962年) や「首都圏清掃整理促進運動」(1964年) など、芸術を通して社会に対する「直接行動」を体現した前衛芸術集団ハイレッドセンターのメンバーの一人として広く知られる高松次郎 (1936-1998)。個人名義で制作活動をしてきた高松は、絵画や立体作品、版画や写真など多岐にわたる媒体で作品を発表してきた。その作風には、存在といった全体像を捉えることが難しい〈空虚を充満した事物〉に対して徹底的な問いかけを行ってきた主知性のある姿勢が一貫して強く見受けられる。

高松は、1964年より「不在/存在」をテーマに〈影〉シリーズを作り始める。本作品《ブラシの影 No.182》は1967年に制作された絵画である。表面に取り付けられた実物のフックから伸びるようにブラシの影のみが描写されている。2つの光源により壁に映し出された画面上には存在しないブラシの影をキャンヴァスへと描写することで、実在そのものを見なくとも2次元の影からその姿を想起させる。「見ることの曖昧さ」を逆手にとることで、実在に対する不信感を問いかけるのである。

PROVENANCE

東京画廊 (東京)

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