- CONDITION
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良好。問題ない。
表面の左下中央にサイン。
- DESCRIPTION
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ポップ・シュルレアリスムの父として広く知られるマーク・ライデン (1963-) は、オレゴン州ポートランドを拠点に活動するアメリカ人アーティストである。1987年にカルフォルニア州パセデナにあるアートセンター・カレッジ・オブ・デザインを卒業後、コマーシャルアーティスト兼イラストレーターとして活躍している。この間ライデンは、1991年のマイケル・ジャクソンのアルバム『デンジャラス』のアイコニックなジャケット画をはじめ、著名なミュージシャンのアルバムジャケットを数多く手掛けてきた。
2016年、ライデンは《Whipped Cream》と題したバレエ作品のコンセプトに取り組み始める。1924年にウィーンで初演されたリヒャルト・シュトラウス (1864-1949) の『シュラークオーバース (邦題:ホイップクリーム)』の再演版である同作品は、2017年にカルフォルニアのアメリカン・バレー・シアターにて初演された。本作品《Slivovitz》は、上述のバレエ作品のプロダクションにおける衣装デザインの一つとなっている。ウィーンの菓子屋で食べ過ぎた幼い子供が、ペストリーやスイーツが生き返るという超現実的な幻覚を見始めるという筋書きから成る本バレエは高く評され、とりわけ、ライデンのクリエイティブなビジョンは好評を博した。細部までこだわり抜いたライデンの創造性は、作品が包含するもっともらしさとシュルレアル的な気まぐれとの間にあるコントラストを高める現実性を生み出している。一般的なファンタジー作家に見られるように、ライデンはしばしば〈別の世界〉の表現をシリーズ化として展開する。本作品は、高い想像力と夢のような驚きに満ちた幻想的な世界を創り出すライデンの能力を示しており、ライデンの作品は、しばしば社会の圧力に対して喜びに満ちた解毒剤として解釈されている。
- EXHIBITED
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「Mark Ryden: The Art of Whipped Cream」2017年5月20日 - 7月28日、Paul Kasmin Gallery (ニューヨーク)