- CONDITION
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良好。
右下にサイン、制作年、左下にエディションナンバー。
プリント部分表面に波打ちあり。
余白部分に小さな茶色いしみが複数あり。
マットによる薄いヤケあり。
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版元: The Limited Editions Club (ニューヨーク)
《地獄の季節》と題されたこの8点からなる作品シリーズは、ロバート・メイプルソープ (1946-1989) のキリスト教からの影響を明白に映し出している。宗教的な背景が強い環境下で育ったメイプルソープは、信仰心の厚いイメージをテーマに探究し続けることで、宗教に反抗してきた。本シリーズの題名は、1873年に発表されたフランスの詩人アルチュール・ランボー (1854-1891) の同名の詩から引用している。メイプルソープとランボーは共に、規範的な行動様式を好むブルジョワ社会を覆すべく広く批判してきた。
このシリーズでメイプルソープは、ツノの生えた悪魔としてのアイコニックな自画像を発表している。メイプルソープは、1980年代のクイア・セクシュアリティに対する社会の態度を強く認識しており、その批判的な投影を鑑賞者に突きつけている。この自画像は、ヌードや静物を捉えたシネマティックな写真と共に発表されている。写真の多くは、歴史を彷彿とさせるキリスト教の偶像を用いており、クイアの性的経験を暗示的に比喩しているかのようにも見受けられる。この代表的な写真シリーズは、天国と地獄の持つ二重性とクイアの生活に魅了されたメイプルソープの強い関心を表現しているのである。