NEW 007

113
Iván NAVARRO,1972 -
イヴァン・ナヴァロ

Abandon (Agbar)

2011

ネオン、鏡、マジックミラー、木材にペイント、電気部品

89.5 × 99.7 × 16.5 cm

ED. 3 + 1AP

「HR」の刻印

ESTIMATE :
$17,900 - $32,100
CONDITION

良好。問題ない。
動作確認済み。
裏面の上の2箇所に「HR」の刻印。
落札者様からの直接のお問い合わせにより、作家による作品証明書の発行が可能。

DESCRIPTION

チリ出身のアーティスト、イヴァン・ナヴァロ (1972-) は、現代の工業用素材と政治的なコメントを融合した芸術実践で広く知られている。ナヴァロの作品にしばしば用いられる〈電気〉は、アウグスト・ピノチェト将軍 (1915-2006) による独裁政権下のチリ、サンティアゴで育った実体験に基づいている。ナヴァロは、強烈な抑圧に満ちた独裁政権下での生活を振り返り、政府による電力供給の制御によって、人々は家に留まることを強いられ、孤立させられていたと述べた。それは、独裁政権の支配力を高める手段だったと回顧している。電気はまた政府によって拷問の格好の手段として用いられた。それ故に、ナヴァロの光を用いた作品郡は、政治的統制、権威、そして権力に対する示唆深い批評としての役割を果たすのである。

本作品《Abandon (Agbar)》にも挙げられるナヴァロの鏡と光の応用は、日頃見慣れた素材に内在する隠された奥行きを露わにする無限の深淵のような構造を描き出す。親しみやすさと不確かさの並置は、概念的に挑戦的な作品を生み出す。これらの作品に漂う不確かさの感覚には、幼少期を不安定なチリで過ごし、常に拉致の恐怖にさらされていた彼の経験が内包されており、タイトルにある「Abandon (放棄)」が、これら不確かさと疑念の要素をさらに強めている。空虚とはすべての生命をなんらかの形で恐怖に貶める得体の知れない存在であり、ナヴァロの辛辣とも言える素材の応用は、観る者に、我々が今だ不安定で制御不能な世界の中に留まっているという現実に直面することを迫り寄る。

PROVENANCE

「Iván Navarro: Heaven or Las Vegas」2011年3月3日 - 4月2日、Paul Kasmin Gallery (ニューヨーク)

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