NEW 007

001
KINOSHITA Kazuyo,1939 - 1994
木下 佳通代

Pa-C '80-115

1980

パステル、紙

96.5 × 62.7 cm

サイン、制作年 裏にサイン、タイトル、制作年

額装

ESTIMATE :
$1,100 - $1,800
CONDITION

良好。
右下にサイン、制作年。裏の左下にサイン、タイトル、制作年。
下部にシワが複数あり。

DESCRIPTION

神戸に生まれ、関西を拠点に活動した作家、木下佳通代(1939 – 1994)は主に絵画や写真を媒体として、「探究」という一貫した信念を貫いた美術家である。木下は1958年に京都市立美術大学に入学、そして60年代に河口龍夫、奥田善巳らと共に前衛美術の集団「グループ〈位〉」の活動に携わったことから彼女のキャリアは始まった。グループ〈位〉は、私たちがいま存在するこの世界とは何かという哲学的なテーマに強い関心を持ったグループであり、「存在とは何か」という深遠なる問いは木下の作品の本質となっていく。70年代には写真を使用しイメージと知覚や物質の関係を探究する作品を数多く手がけ、80年代には本質は変わらずとも身体性に基づく感性への強い関心から抽象絵画へと表現の軸足を移した。木下は1990年にがんの告知を受け、1994年に55歳という若さでこの世を去るまで生涯で1200点以上制作、彼女の絶え間ない創作意欲や探究心は現代においても鮮烈な印象を残す。

本作は1980年に制作されたパステルのドローイング作品であり、1982年に抽象絵画の制作へ大きく転向する前段階の軌跡が伺える。淡い茶色と黄色のパステルで直線的にまたぼやけた輪郭で描かれた線が交互に羅列する。この二重構造は、70年代の分割された立体を描いた「境界の思考」シリーズや直線とぼやけた滲みを描いた「滲触」シリーズとの共通点が見える。視覚的・認識的なズレを生じさせることにより、鑑賞者に「視る」という行為について考えさせる。

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