非常に良好。問題なし。
左下にサイン、エディション。

版元: Parkett Publishers (チューリッヒ、ニューヨーク)
『Parkett』誌 56号のための作品

ミニマリズムの基礎を築き、鮮やかな原色を用いた色相の対比を通じた表現を展開する「ハード・エッジ派」の先駆者として称賛されるアメリカの現代美術家エルズワース・ケリー（1923-2015）。自然、建築、そして光と影の相互作用に影響を受けた彼の作品は、鋭くクリーンな線の絵画、大胆な色彩のフィールド、そして二次元と三次元の空間をあいまいにする革新的な彫刻にまで及ぶ。第二次世界大戦後にボストンとパリで芸術的なビジョンを磨いた彼は、形のユニークな探求を通じて戦後の芸術に深い影響を与えた。

作家の代表的なシリーズである本作品は、彼独自のミニマリストで抽象的な表現が顕著に浮かび上がるものである。タイトルが示す通り、画面を支配する大胆な赤い曲線が特徴的で、作家は曲線を用いて空間と視覚者の認識との関係を探求している。滑らかな赤い曲線は、その特定の作品シリーズによっては、鮮やかな色彩と視覚的なインパクトをさらに際立たせるために、厳格な白や他の微妙な色合いの背景に設定されている。絵画や彫刻から余分な要素をそぎ落とし、フォルムと色という基本要素だけを残した作品で知られている作家の美学が体現されている。本作品は見かけのシンプルさにもかかわらず、ケリーの卓越した技術が視覚体験の要素である形、色、そして空間との深い瞑想的な関与を鑑賞者に引き起こすことを証明している。