非常に良好。問題なし。
右下にサイン。

韓国に生まれ、現在はニューヨーク州のブルックリンを拠点に活動するアナ・パーク (1996-) は、大学院在学中から世界的キュレーターに評価されるなど、現在最も勢いのある若手アーティストの一人である。アニメーターを夢見て入学したプラット・インスティテュートでイラストレーションとアニメーションの学士課程を修了した後、ファインアートに惹かれニューヨーク・アカデミー・オブ・アートにて美術修士号を取得。マイケル・グリマルディに師事し木炭の素早さと寛容さの魅力を知ると同時にセシリー・ブラウンの芸術から半抽象的なスタイルへと繋がる大きなインスピレーションを受ける。在学中のオープンスタジオ展に訪れた同校の卒業生で現代アーティストのKAWSは、その場で彼女の作品を購入、ソーシャルメディアで彼女の作品を紹介したことによりアート界で急速に注目を浴びた。

本作品《Eyes Up Here》は、彼女が修士課程を履修していた頃に描かれた作品である。パークは、しばしばインターネット検索からクラブシーンやパーティーなど華やかで混雑した群衆のイメージを入手し、それらを直感的に木炭を用いて手足や顔面を渦巻くように描いていく。高度な物語性・芸術性を持った力強いエネルギーとキュビスムの過激な断片化を思い起こさせるモノクロ作品は、視覚的な寓意、繰り返される原型、アメリカーナの比喩を内包し、渦巻く抽象的な木炭ドローイングの中で、内面の葛藤、羞恥心、憧れ、成長、死が表現されている。イラストレーションの手法から木炭を使った実験的な手法へと変貌を遂げたこの作品は、目の前で繰り広げられる放蕩を覗き見て観察するような後ろめたい喜びを誘う。

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