NEW 005

027
David HOCKNEY,1937 -
デイヴィッド・ホックニー

George, Blanche, Celia, Albert and Percy, London, January, 1983

1983

フォト・コラージュ

S. 109.4 × 111.7 cm

ED.20

サイン、タイトル、制作年、エディションナンバー

額装

ESTIMATE :
$13,300 - $20,000
CONDITION

下部の中央にサイン、タイトル、制作年、エディションナンバー。

全体的にヤケあり。 左上角縁、左下角縁、中央下縁、左中央縁にアタリあり。
左縁に若干のヤケあり。左下に複数の茶色い丸い点あり。

DESCRIPTION

イングランド北部の都市、ブラッドフォード出身のデイヴィッド・ホックニー (1937-) は、1960年代以降、イギリスのポップアートを牽引してきたアーティストの一人である。1964年にアメリカ西海岸に拠点を移してからは、ロサンゼルスを彷彿とさせる《The Splash》(1966) にあるような「水」の作品などが最も代表的なものとして挙げられる。彼の作品に一貫して見られるイメージメイキングは、これまでにさまざまなミディアムを通して表現されてきたが、その中でも版画はホックニーのキャリアを語るうえで、欠かせないミディアムのひとつであろう。学生時代は自ら版画を制作していたが、1970年代頃には刷り師らと共に版画を発表するようになる。

《Lithographic Water Made of Lines》シリーズは、1978年から80年にかけて版画工房タイラー・グラフィックスより発表されたリトグラフ版画である。シンプルな線とドットのマークメイキングを通して特徴的に日常の視覚要素を捉えた《Lithographic Water Made of Lines》に対し、《Lithographic Water Made of Lines and Crayon》では、クレヨン素材の質感を忠実に再現するリトグラフ技法の特性を用いることで、陽の光が燦々と降り注ぐ水面に新たなテクスチャーの層を加えている。単調な色合いながらも、彼のライフワークとも言える「マークメイキング」は、風景中にある視覚のコントラストを見事に表現している。

カラフルな赤、青、緑の三色のラインドローイングが印象的な《My Pool and Terrace》は、1983年にロサンゼルス現代美術館によって発売されたリトグラフ作品である。同館は1979年に開館。資金集めの一策として、8名のアーティストらとともにポートフォーリオ《Eight by Eight to Celebrate the Temporary Contemporary》を発表、《My Pool and Terrace》はその一部である。

1986年には、《Home-Made Prints》シリーズの一環として《Livingroom and Terrace》をアンドレ・エメリッヒ・ギャラリーで発表する。当作品が上述の版画と大きく異なる点として、そのシリーズ名が示すようにオフィス用のコピー機を用いた手作りのプリント作品であることが挙げられる。工房で刷り師が丁寧に制作する従来の版画とは異なり、コピー機の普及がもたらした手軽さを活用することで、ホックニー自らが印刷工程に着手。しかしここで彼は、通常のコピー機の使い方とは相反して、リトグラフと同様の印刷方法を採用する。各色をレイヤーごとに印刷することで、一見フラットにも見えるリビングルームとテラスの空間に厚みを持たせ、中と外の境目の絶妙な差異を見事に描き出している。

PROVENANCE

Kohji Ogura Gallery (名古屋)

LITERATURE

「David Hockney, Cameraworks」Kindler Verlag、1984年、p.97
「David Hockney」Prestel、1995年、p.14
「David Hockney: Portraits」National Portrait Gallery、2007年、p.187

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