- CONDITION
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良好。
裏の中央部分にサイン、日本語でサイン、制作年と「Paris」の記述。ストレッチャー左中央部分にサイズ。
作品は展覧会の招待状に掲載されている(画像参照)。
アート作品は全体的に良好な状態です。右下の端に1つ、中央下に1つ、簡単に落とせる軽いメディウムの水滴の跡が2箇所あります。中央上部に小さな点がありますが、これは作品のオリジナルの状態だと思われます。また、縁に作品の経年変化により現れた小さな欠けが数カ所あります。
- DESCRIPTION
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制作活動初期の松谷武判 (1937 - ) は、日本画を志していた。大阪府に生まれた松谷は、1960年より具体美術協会の創設者であり画家の吉原治良に師事すると、戦後日本の前衛美術運動を牽引する作家らと交流を深めるようになる。1962年頃より、作家の代名詞的ミディアム、ビニール接着剤を用いたレリーフ状の作品を制作するようになる。1966年にはフランス政府給費留学生として渡仏。版画制作を経て、1980年頃からキャンヴァスに黒鉛を混ぜたボンドでレリーフを生成し、上から鉛筆で線を重ねていく作品に取り組み、国内外で高い評価を得る。松谷は、1980年9月13日から10月19日までの約1ヶ月間、ベルギーのGallery S65にて個展を開催した。
本作品《Untitled》は、1979年に制作された92 x 73 cmの作品で、瓢箪を彷彿させる面持ちのレリーフには黒い縄がキャンヴァスを貫通し裏留めする形で固定されている。本作は、同個展のビジュアルとして、展覧会招待状に掲載されたものであり、松谷の力作の一つである。
- PROVENANCE
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Gallery S65 (アールスト)
個人蔵
ベルナート・オークションハウス (アントワープ)、2022年10月12日
個人蔵
- EXHIBITED
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「T. Matsutani」1980年9月13日 - 10月19日、Gallery S65 (アールスト)