非常に良好。左上にサイン、裏の左上にサイン、タイトル、制作年。

ジョージ・コンド（1957 -）は、「アーティフィシャル・リアリズム」と定義する独自の抽象的造形スタイルで知られるアメリカのアーティストである。美術史のバックグラウンドを持つコンドは、様々な文献や対照的な美学を用いて、実生活や彼の想像から得た奇妙で素晴らしいキャラクターを数多く描いている。モダニズムの名作から17世紀の巨匠の肖像画まで、これらの様式をシームレスに再構成し、独特の不穏さと美しさを醸し出している。伝統的な肖像画の構造を噛み砕き、ユーモアとアイロニーをもって従来の芸術の概念を覆す風刺画のような作品を制作し、登場人物の様々な心理状態を一枚の絵に収めている。歪んだ顔、滑稽な表情、無造作に置かれた物など、彼の描く被写体はグロテスクともいえる不条理な方法で描かれており、現代生活の混沌を物理的に表現している。本作品 「Little Ricky」は2004年に制作された作品で、両耳からタバコを吸い、頭の上にボトルを乗せたやんちゃな青年を描き、虚ろな表情と口を開けたままの視線から、この青年の性格を強く理解していることが分かる。立ち込めるタバコの煙と今にも破裂しそうな泡の入ったボトルは、コミカルでシュールなシーンを表現している。

Sprüth Magers Lee、ロンドン
Monika Sprüth & Philomene Magers、ミュンヘン
個人蔵、日本

「George Condo」2005年3月16日 - 5月7日、Sprüth Magers、ミュンヘン