- CONDITION
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良好です。
裏の中央にサイン、タイトル、制作年。
中央に薄い茶色いしみあり。
紙の縁部分に軽いやけあり。
紙の下部分中央に小さな擦れの跡が数ヶ所あり。
- DESCRIPTION
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20世紀イギリスにおける抽象美術の展開を牽引した画家、ベン・ニコルソン(1894–1982)。画家ウィリアム・ニコルソンと版画家メイベル・プライドの長男として生まれ、スレード美術学校で短期間学んだのち独自の道を歩み始める。1928年、セント・アイヴスで元漁師の素朴派画家アルフレッド・ウォリスと出会い、その飾らない造形感覚から大きな示唆を得る。1930年代にはパリでピカソのアトリエを訪ね、「アプストラクシオン=クレアシオン」ではモンドリアン、アルプらと交流し、キュビスムと新造形主義の影響のもと抽象へ向かう。白一色の板面に円と矩形を彫り込んだ浮彫作品〈ホワイト・レリーフ〉連作は、イギリス抽象美術の到達点として国際的な評価を確立した。1939年にバーバラ・ヘップワースとセント・アイヴスへ移り、セント・アイヴス派の中心として同地を戦後前衛美術の拠点へと導いた。戦後は静物と風景を幾何学的構成に融合させた様式を深め、1955年のテート・ギャラリー回顧展を経て、1956年に第1回グッゲンハイム国際絵画賞、1957年にサンパウロ・ビエンナーレ絵画大賞を受賞。1968年にはメリット勲章を受章している。
本作は、87歳のニコルソンが没する前年の1981年、ロンドンの自宅で描いた最晩年作である。題名はスイス南部、ルガーノ湖畔の村の名で、1920年代に最初の妻ウィニフレッドと冬を過ごした出発点であり、1958年から71年には再び暮らし、国際的な名声を確立した土地でもある。地名の題は実景の記録ではなく、その地の経験や記憶を画面にとどめる試みであり、本作も湖畔を離れて10年後のロンドンで喚起された記憶の像といえる。細い輪郭線の水差しやマグ、ゴブレットは透け合いながら平面へと還元され、淡いグレーの地と上端を走る濃いグレーの帯は、卓上の静物を湖と山並みの風景としても見せる。ウォディントン・ギャラリー、アネリー・ジュダ・ファイン・アートを経てフジテレビギャラリーが扱った本作は、リントン『ベン・ニコルソン』にNo. 425として掲載されている。
- PROVENANCE
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Waddington Galleries Ltd (ロンドン) / Annely Juda Fine Art (ロンドン)
- LITERATURE
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Ben Nicholson (Norbert Lynton) no. 425

