- CONDITION
-
非常に良好。
- CERTIFICATE
-
草間彌生作品登録カード
- DESCRIPTION
-
長野県出身の現代美術家・草間彌生 (1929–)は、幼少期の頃から経験してきた幻視や幻聴といった体験を基に、反復の網目や水玉といった反復模様を用いて、創作を始めた当初から一貫する実践のテーマである〈自己消滅〉を探究し続ける。幼い頃より絵描きになることを志向していた草間は、1948年に京都市立美術工芸学校(現・京都市立銅駝美術工芸高等学校)で日本画を学んだ。その後1957年に単身渡米し、ニューヨークを拠点に活動。初期の代表作《無限の網》シリーズなどで、大きな注目を集めた。その後も、《アキュミレーションNo.1》(1962年)や《ナルシスの庭》(1966年)やなど、彫刻、空間、そしてパフォーマンスなど多様なミディアムを横断しながら、60年代アメリカのポップアートやミニマルアートの文脈とも交錯しながら、独自の実践を展開していった。
1973年に帰国後も、現在に至るまで精力的に創作を続けており、世界を舞台に活躍する日本の現代美術を代表する、まさにアイコニックな存在である。
本作品《COLAL REEF(珊瑚礁)》は1954年に制作されたドローイング作品である。この年、初めて東京で個展を開催している。画面全体に広がる黒がかった霧の背後には、草間の心象から生み出された珊瑚礁が描かれている。草間の作品はその内側から溢れ出すかのようなイメージの数々は、理性から解き放たれた芸術実践を追求したシュルレアリスムとも相通ずる部分があり、特に初期の作品では顕著である。本作は、現在にも通ずる象徴的なドットや、珊瑚の枝を想起させる有機的な絵の具の滲みなど、鬱屈ながらも豊かで繊細な心が映し出された、草間彌生の初期を代表する貴重な一作である。
