- CONDITION
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良好。
各作品の裏面右下にサイン、制作年。
[1] 全体的に良好な状態だが、表面下部に指紋跡があり、裏面下部に1つの小さなシミがあり。
[2] 全体的に良好な状態だが、マージンにいくつか小さなシワがあり。
- DESCRIPTION
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1990年代初頭より、社会の制度や慣習、価値観といった「自明」とされるものを独自の視点でとらえ直し、可視化してきた豊嶋康子。
彼女の作品は、個人と社会が相互に作用しあう複雑な関係性を浮かび上がらせる試みとして、一貫したコンセプチュアルなアプローチを貫いている。
本作は、解答欄ではなくその“周囲”を鉛筆で真っ黒に塗りつぶした、初期の代表的なシリーズの一点である。
本来「解答すべき」領域をあえて外し、既存の評価体系そのものを反転させる行為は、受験生としての経験を通じて感じ取った社会的規範への批評的眼差しを示している。
行為の単純さの中に、個と社会、ルールと逸脱の関係を問い直す豊嶋の思考が端的に表れているといえよう。
本作は2023年に東京都現代美術館で開催された「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」でも展示されており、同館には同シリーズの他作品が所蔵されている。
- PROVENANCE
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M画廊 (栃木)
- LITERATURE
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「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」書肆九十九、2024年、p. 150
- EXHIBITED
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「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」2023年12月9日 - 2024年3月10日、東京都現代美術館 (東京)





