裏の右下にサイン。
裏のラベル右にGallery Targetのスタンプあり。

中央と右下に細かな黒い汚れあり。

永井博（1947–）は、日本を代表するイラストレーター・画家である。グラフィックデザイナーとしての活動を経て、イラストレーター湯村輝彦氏に師事し、1973年に独立。同年、セツ・モードセミナーの友人らと共に40日間のアメリカ旅行へ出発し、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ、ニューヨークを巡る。この旅が契機となり、後に確立される、鮮やかな色彩と明快なコントラストを特徴とする〈アメリカ西海岸〉を想起させる作風へとつながった。代表作には、1979年の大滝詠一『A LONG VACATION』の装丁が挙げられる。

本作は2000年に制作された、41×32cmのアクリル作品である。澄んだ空の青と、プールサイドの穏やかな休暇の情景が描かれ、見る者に懐かしさを呼び起こす。2000年代以降、永井は精力的に展覧会へ参加しており、本作はその転換期に生まれた典型的作品の一つである。

Gallery Target (東京)