- CONDITION
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良好。
裏の右上にサイン、制作年。
所々に経年による汚れの付着あり。
- DESCRIPTION
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独学でアートを学んだジャン=ピエール・パンスマン (1944-2005) は、絵画の物質的な特性と概念的に及ぼす影響に焦点を当てた研究に基づいた実践で知られている。パリ出身のパンスマンは、1960年代から美術評論家として活動し、その後、ギャラリストのジャン・フルニエの勧めで芸術活動を始める。1968年の個展では、伝統的な筆を使わず、レンガや波板鉄板、金網などで描いた身体性を伴う絵画作品群を発表した。その後まもなくして、パンスマンは、絵画や彫刻とその構成要素を考察するフランスの有名な芸術運動、Support/Surface (シュポール/シュルファス) の一員となる。
同運動が成功に終わった後も、パンスマンは絵画の手法に疑問を呈し、新たな作品シリーズで絵画面の完全性を問い続けた。1973年以降、パンスマンは、本作のような、さまざまな色調に丹念に染めた上げた複数のキャンヴァス地を切り抜いて長方形の形に並置した作品を制作した。これらの結びついた形は、ひとつの作品を作り出しながらも、それぞれが個別に制作されている。最終的に形成された絵画の表現は、各色の制作過程や、それぞれの要素の相互関係を観る者へと問いかける。これらの実験的な作品を通して、パンスマンは芸術表現の構造を包括的に考察し、それぞれの物理的要素の意義を吟味してきたのである。
- PROVENANCE
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ギャラリーヤマグチ (大阪)
- LITERATURE
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「ジャン=ピエール・パンスマン」ギャラリーヤマグチ、1989年、表紙
- EXHIBITED
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「ジャン=ピエール・パンスマン展」1989年6月19日 - 7月8日、ギャラリーヤマグチ (大阪)