- CONDITION
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裏の右下にサイン、制作年、エディションナンバー。
全体に若干の波打ちあり。
左右下の角にシミあり。
- DESCRIPTION
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金山明は肩にはまらない素材を使い機知に富んだ実験作品で知られ、具体美術協会の初期メンバーの1人である日本の前衛美術家である。1952年に金山はこれまでよりも過激な芸術実験を追求するため、白髪一雄や村上三郎など、新制作協会の若手会員とともに「ゼロ会」を設立。ゼロ会時代の金山は形や線といった造形要素を極限まで切り詰める絵画表現を推し進めた。1955年には金山はゼロ会の白髪、村上、田中と共に吉原治良の招待を受けて「具体美術協会」に加わり、彼は多様なメディアの芸術表現の手段を探求することによって作品を大幅に拡大することになる。
本作品は1992年に大阪のギャラリーKURANUKIにて発表されたシリーズであり、クラシック音楽の名曲から発せられる音の波形を紙に記録し、目に見えない音波を要素に視覚的な形を作品に表現している。金山はその行為を一瞬にしてその曲のもつ美しきを見てとろうとする制作であると言う。発想を得てから二十数年たって完成された本シリーズは、当時のコンピューター時代であればこそ為し得た仕事であると金山が語るように、30年以上たった今日にも通ずる現代美術の精神が見受けらえる。
- PROVENANCE
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ギャラリーKURANUKI (大阪)