- CONDITION
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非常に良好。問題なし。
証明書にサイン、エディションナンバー。
- CERTIFICATE
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タカ・イシイギャラリー作品証明書
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ケリス・ウィン・エヴァンス (1958-) は、ウェールズに生まれ、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズを卒業後、コンセプチュアルアーティストと映像作家として活動を始める。エヴァンスの作品は、映像制作の実践から見聞を深めており、映画、文学、哲学からテキストを抜粋し、人々の間の共通認識と個人的な経験との間における哲学的な対話を形成することからはじまる。エヴァンスにとってそれは、観る者の経験により異なる無限の解釈を創出する可能性を秘めた作品となる。テキストが読まれるたびに新しい解釈が生まれる絶え間ないプロセスを内包するエヴァンスの作品は、日頃見慣れた言葉や物を特別な体験へと昇華させる超越した資性を備えている。
2018年、エヴァンスは、音によるコミュニケーションの複雑さに着目した《Composition for 37 Flutes》と題する記念碑的作品で、英国の権威あるヘップワース賞を彫刻部門で受賞。幻想的なネオン彫刻で知られるエヴァンスは、同年に本作品《More Light》を制作。これは、《Composition for 37 Flutes》と同様に、光の性質上の儚さを問う試みであった。タイトル内で〈光〉に言及することで、エヴァンスは観る者に、作品を生み出している素材と、そして「より多くの光 (More Light)」は、物理的あるいは哲学的に、一体何をさらに照らすのかを強く提起している。過去にエヴァンスは「直射日光の中のネオンほど好きなものはない」(『Wallpaper* Magazine』2022年) と述べている。自然の太陽光であれ人工のネオンであれ、そのかたちに関わらず〈光〉への欲望が込められたこの彫刻が、まさにその言葉を体現していると言えるだろう。語尾の「...」は、観る者の興味を惹きつけると同時に私たちを取り巻く世界に対する集団的な問いかけの中で、個々の解釈を提案、共有することを促しているのである。