- CONDITION
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良好。問題なし。
足の裏にサイン、制作年。
頭の部分は非常に良好。
ヴィンテージアクションフィギュアの部分は、所々に経年による剥がれ跡あり。
台の所々に経年によるサビあり。
- CERTIFICATE
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StolenSpace Gallery作品証明書
- DESCRIPTION
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LITERATURE
「Haroshi 2003-2021」NANZUKA、2021年、p. 424
EXHIBITED
「Rise Above」2017年10月6日-29日、StolenSpace Gallery (ロンドン)
日本を代表するアーティスト、Haroshi (1978-) は、ロンドンでの個展の制作準備中だった2017年に、友人であるソフビ原型師の友人の部屋にあったガラクタだらけの段ボールの中から、顔なし・胴体だけとなった伊達直人扮する〈タイガーマスク〉のソフビを発掘する。そこから、この胴体部分に作家の代名詞である木彫マスクを組み合わせるという逆算的発想により「ソフビ」シリーズが誕生した。
日本発祥とも言われるソフトビニールの玩具文化は、戦後の高度経済成長と共に大きく発展した。その柔らかい手触りと耐久性の観点から、子供用玩具としてたちまち人気の素材となり、様々な作り手がヒット商品を仕掛けるべく、怪獣やウルトラQといった当時子供たちの流行の的であったキャラクターを産出した。本作品のソフビ部分も当時の一環で、1968年から71年にかけて漫画雑誌で連載された梶原一騎原作、伊達直人扮する元悪役レスラー『タイガーマスク』の漫画に由来する。漫画にとどまらずアニメ版も放映された同作は、当時の子供たちが夢中になったお茶の間の存在であった。1969年には、中嶋製作所からタイガーマスクと敵の悪役レスラー群がソフビシリーズで発売され、爆発的ヒットを博すこととなる。
半世紀の時を経て過ぎ去った流行とともに価値を失った頭部のないソフビたちは、Haroshiの手によって再び生命が吹き込まれ、現代美術の文脈において新たな価値を創造する。《タイガーマスク》は、2018年にアメリカ・モンタナ州のMontana Skate Park Associationのスケート場建設のためのチャリティーオークションにて、そしてタイガーマスクの強敵でもありライバルの《バイキングキッド》は、2017年にロンドンのStolenSpace Galleryの個展でそれぞれ発表された。