- CONDITION
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非常に良好。問題なし。
裏の上部にサイン、タイトル、制作年。
- DESCRIPTION
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2005年にハンター・カレッジで修士号を取得した画家のアーロン・ジョンソン (1975-) は、以来現代美術を代表する画家として活躍し、これまでにニューヨーク近代美術館やマドリードのコレクシオン・ソロをはじめとする数多くの国際的機関に作品がコレクションされている。ウォッシュ技法を用いてアクリル絵具をキャンヴァスに流すことから始まるジョンソンの絵画は、その流動的な構図と振動するような色彩で高く評価されている。蛍光色の絵具が互いの方向へと流れ込むことでフォルムが生まれると、フォルムの繋がりを肉付けするかのように具体化していく。ジョンソンにとってこのプロセスは、創造というよりむしろ発見に準え、擬人化したフォルムに人相を付け足すことで生命を吹きこんでいく。この技法は、1960年代のシュルレアリスムやカラーフィールドのムーブメントに触発されたもので、ジョンソンの絵画は、描かれる人物たちへピントが合わさり、そしてぼやけていくサイケデリックな世界観を表現している。それらは、万物の相互関係を内包し、しばしば対局する二つの力の間にある微妙な境界線を描いている。人物像は、天使のような恋人からグロテスクな怪物にと容易に姿形を変えてゆき、そのリズミカルな生命の賛美の中でねじ曲げられた身体は、幽霊のような亡霊へと歪んでいく。これらの作品は、自然体験と宇宙体験のあらゆるスペクトルを包含しているのである。
「筆は自然の力のように流れ、私はそれに反応しながら描くのである。」
ダイナミックな構図を生み出すジョンソンの技量は、《Cosmic Cowboy with a Black Cat》で存分に発揮されている。本作品は、ジョンソンの実践における相反する概念的要素を捉えており、天使的なものと不吉なもの、希望と絶望の両方に満ちたものが同時に描かれている。ジョンソンは、複数の目を持つ人物は、この世における次元や質をより多く見ることができる幽玄な存在であるとコメントしており、この絵は、人生のさらなる可能性に向けて、私たち自身の心を開いていくよう誘うものである。それは、現代におけるロールシャッハ・テストのような役割を果たし、宇宙に対する私たち自身の複雑な心理的解釈を明らかにする。暗闇に満ちた世界において、ジョンソンの絵は可能性の光り輝く宣言として際立ち、この世界とその先における人類の精神の能力を擁護している。
- PROVENANCE
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OVER THE INFLUENCE (香港)