- CONDITION
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非常に良好。問題なし。
裏の右下にサイン。
- CERTIFICATE
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作家による作品証明書
- DESCRIPTION
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大阪府に生まれ、現在はベルリンを拠点に活動する塩田千春 (1972 - ) は、これまでに南オーストラリア州立美術館 (2018年) や森美術館 (2019年) など世界各地の美術館で個展を開催。また、2015年には第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表として参加するなど、日本を代表する現代美術家の一人である。代表的な作品《不確かな旅》 (2016/2019年、森美術館) などに挙げられるように、糸や船といったオブジェクトを用いた没入型の空間ドローイング作品で広く知られるその作風には、一貫して生と死といった普遍的かつ本質的な問いを探求する姿勢が見られる。塩田は、油絵具の中で窒息死するという悪夢にうなされる出来事があって以来、しばらくの間、ペインティングを離れ立体制作に焦点を当てていた。塩田は、その後再びキャンヴァスを手にとるようになるが、絵具の代わりに糸を用いて作品を制作するようになる。
30cm角のキャンヴァスと糸でなる本作品《Skin》は、2019年に作られたものであり、そのタイトルが揶揄する通り、キャンヴァス表面に重なり合った層のように絡まり合う赤い糸の塊は、まるで我々の身体にある皮膚の血管のような繊細で有機的な様相をなす。運命の赤い糸といった通説があるように、塩田の〈Skin〉はキャンヴァスに縫い付けられた塊になった糸を通して人や物、この世に存在する見えない繋がりを示唆する。
- PROVENANCE
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Kenji Taki Gallery (愛知)