NEW 004

066
MOTONAGA Sadamasa,1922 - 2011
元永 定正

飛んでいる赤と緑

1969-1970

アクリル、木製パネルに綿布

20.2 × 30.5 cm

サイン、制作年 裏にサイン、タイトル、制作年

ESTIMATE :
$5,900 - $8,900
CONDITION

良好。
右下にサイン、制作年 ('70) 。裏中央にサイン、タイトル、制作年 (1969) 。
角や側面の縁に若干の削れが複数あり。

CERTIFICATE

モトナガ資料研究室鑑定書

DESCRIPTION

戦後日本で隆盛を極めた具体美術協会の中心人物の一人である元永定正 (1922 - 2011)。元永は、具体美術の初期の展覧会のそのほとんどに参加し、学際的な作品を制作してきた。作風において、琳派の絵画に多く見られる伝統的な日本画の技法である「たらしこみ」に着想を得た元永は、濡れた絵具を重ねるという技法を現代の文脈に置き換える。その結果、元永の代名詞とも言える有機的形態造形やジェスチャーのようなシンボルが誕生。これらの象徴的なイメージの成功は、彼に国際的な名声をもたらすこととなる。1966年、元永はジャパン・ソサエティの招聘により、日本美術の国際的な発展のためにニューヨークへと移住する。ここで元永は、スプレーペイント、エアブラシ、エマルジョン絵具を使い始める。これらの新しい素材のおかげで、元永は「たらしこみ」の展望を広げることに成功し、作品はより構造化された外観を持ち始め、注ぎ込まれた形は、定義された空間の中の風景やオブジェクトを暗示するようになる。これらの作品のSF的、漫画的な感覚は、しばしば抽象化された漫画とも比較されることがある。
《飛んでいる赤と緑》と題された本作品は、光り輝く物体の手前に物体が浮かんでいるような銀河系的な外観を呈している。本品は、元永が日本に帰国し具体美術協会を脱退する直前にニューヨークで制作されたものと思われる。元永は、具体が崩壊した後も芸術家として功績を残し続け、日本のアートシーンを国際的に広めるきっかけをつくったとして評価されている。

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