良好。
[3]-[19]の下中央部に縦並びに両作家のサイン、エディションナンバー。
全体的に若干の波とブラウンスポットあり。

版元: Petersburg Press, Ltd. (ロンドン)

リー・フリードランダー (1934 - ) は、35mmカメラとモノクロフィルムを使い、都市や人々といったありふれた社会風景に焦点を当て、現代のアメリカ文化における視覚的理解を一変させたことで広く知られる「ニュー・ドキュメンタリー」を代表する現代写真家の1人である。1960年代以降、写真家の眼差しを感じさせる新しいドキュメンタリー写真で高い評価を得ており、2005年のMoMAでの回顧展は500点を超える前代未聞の大展覧会となった。

ジム・ダイン (1935 - ) は、1960年ニューヨークで上演したハプニング「微笑む労働者」で、ネオダダとポップの中間的な表現者として賞賛を浴びる。自伝的な物語性を内包した日常的な事物をモティーフとし、実際のオブジェと絵画を組み合わせた独創的な作品たちは他のポップ・アーティストと一線を画す。70年代以降は、今日のアメリカ絵画に表現主義の伝統を蘇らせた力強い画家として評価されている。

ジム・ダインの生まれ故郷であるシンシナティで撮影した写真をフリードランダーが贈ったことがきっかけで二人は親しくなり、7年後の1969年に当時ジム・ダインの創作の場であったロンドンの出版社ピーターズバーグ・プレスから本作を出版。フリードランダーによる17枚のヴィンテージゼラチンシルバープリントとジム・ダインによる16枚のエッチングのそれぞれの併置からは二人の作品言語の共演と長年にわたる彼らの友情がうかがえる。