[1]右下に刻サイン、制作年、エディションナンバー。左下の角に割れあり。
[2]右下に刻サイン、制作年、エディションナンバー。
[3] 下中央に刻サイン、制作年、エディションナンバー。
[4,8]右下に刻サイン、制作年、エディションナンバー。上の留め具に展示の際に使用したと思われる吊り糸が残っている。
[5-7,9] 左下に刻サイン、制作年、エディションナンバー。
[10]左下に刻サイン、制作年、エディションナンバー。左上の角に割れあり。
オリジナルケースの側面、右下に刻サイン、制作年、エディションナンバー。
アクリルスタンドは、オリジナルのものではない。

版元: Racolin Press Inc. (ニューヨーク)

ロバート・ラウシェンバーグ (1925 - 2008) は、ジャスパー・ジョーンズと共にアメリカにおける芸術運動「ネオダダ」の代表的なアーティストである。ラウシェンバーグは、廃材、板金、新聞、タイヤ、傘などのありふれた物から構成された過激で立体的な「コンバイン絵画 」(1954 - 1964) や、彼自身の写真や既存のメディアの画像をコラージュしペイントした「シルクスクリーン絵画」(1962 - 1964) で最もよく知られる。1964年、ラウシェンバーグはヴェネチア・ビエンナーレでアメリカ人として初めて金獅子賞を受賞し、60 年以上に及ぶキャリアのなかで絵画、彫刻、版画、写真、パフォーマンスなど、幅広い媒体で活動した。

本作品《Opal Gospel》(1971) は、ネイティブアメリカンの物語、歌、詩、画像が10枚の透明なアクリル板にプリントされ、土台の上に並べられた3次元の本とも言える。「コンバイン絵画」と「シルクスクリーン絵画」を合算したようなこのマルチプル作品は みるものに様々なページを取り除いて鑑賞し、またそれらのページを新たな組み合わせで再配置するよう働きかける。ラウシェンバーグはインディアンの部族、チェロキー族のクウォーターであることから、その生い立ちと遺産が本作品の芸術的表現に強く反映されているのが見てとれるだろう。