NEW 003

041
Christian MARCLAY,1955 -
クリスチャン・マークレー

電話

1995

DVD (7分30秒)

DVD: Φ 12.0 cm DVD case: 19.0 × 13.7 × 1.5 cm

ED.250

証明書にサイン、制作年 DVDとDVDケースカバーにエディションナンバー

ESTIMATE :
$5,500 - $8,300
CONDITION

良好。
作品証明書にサイン、制作年。
DVDケースの表面と裏面に僅かな擦れ、汚れの付着あり。

CERTIFICATE

White Cube作品証明書

DESCRIPTION

クリスチャン・マークレー (1955 - ) による7分間のビデオ・アート《電話》(1995) は、ビジュアル・アートとサウンド・アートの双方に対する作家の高い関心を示す初期映像作品である。本作品では、数々のハリウッド映画から取られた通話に関わるシーンがつなぎ合わされている。ダイヤルを回す。電話が鳴る。受話器を取る。「もしもし」と挨拶をする。「さようなら」と電話を切る。そんな、元々の物語から切り離されたいくつもの断片は、届く相手を持たない一方的な発話である。しかし同時に、そこでかろうじて成立しているようにみえる会話は、かえってコミュニケーションの儚さ、脆さを強調する。

キュレーターのステファノ・バジリコは、《電話》において前景化した手法が、美術史的にはシュルレアリズムのコラージュや、80年代のアプロプリエーション・アートの歴史に位置づけられつつ、90年代のヒップホップにおけるサンプリング文化の影響下にあると指摘する。本作品で用いられたサンプリング的手法は、4画面を同時に使う《ビデオ・カルテット》(2002) や、24時間に及ぶフィルム・インスタレーション《時計》(2010) など、マークレーの後の作品の技術的基盤となった。インターネットの黎明期に制作された本作品は、情報技術が発達した社会においてこそ生じる過剰なコミュニケーションと、その不達が生み出す寂しさを予言しているかのようである。

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