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非常に良好。問題なし。
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オーストラリア・メルボルンに生まれたジョーディー・カーウィック (1982 - ) は、多様な媒体でマークメイキングを独学で探求し続け、その直感的で豊かな絵画で知られるアーティストである。存在感を与える厚塗の技法を用い、油彩、アクリル、エナメル、スプレー、屋内塗料から木炭や黒鉛といった媒体を広範にわたってストロークを重ねることで、かすかな軽快さを感じさせつつ目まぐるしくもカラフルな絵画を制作する。そのナイーブさと生き生きとした即興性が混在する彼のスタイルは、ソーシャルメディアなどを通じ世界中のファンを魅了している。
カーウィックは、作品制作において家での暮らしや家族からインスピレーションを得ることから、主に家庭における風景を描いているが、その自伝的とも言える絵画を通し静止画という古典的なジャンルを斬新にも再解釈している。作中には花、花瓶、本といった「メメント・モリ」のモチーフがしばしば登場することから16世紀のヴァニタス (人生の儚さを寓意する静物画) を想起させるが、作家はそこへ煙草や卓上ランプなどの現代的な要素も新たに付け加える。作家はこれらのモチーフと併せて虎、熊、蛇、ユニコーンといった野生動物を並べることで、幻想的かつ民族的な雰囲気を醸し出しつつも、作家と彼の子供達間の秘密話を思わせる寓話的な物語を示唆する。
本作品《Big Evil Robots》(2020) は、こういった彼の静物画の一例であり、鉢植えの置かれた机、煙草、そして作中に頻繁に登場する上部にドーム型のランプシェードを備え付けた双頭コブラの卓上ランプが描かれている。
- EXHIBITED
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「JORDY KERWICK: I'LL COME BACK AGAIN」2021年5月15日 - 6月12日、UNION Gallery (ロンドン)