非常に良好。裏にサインと制作年あり。

KAWS（1974 - ）は1990年代初めにグラフィティ活動をはじめ、96年までニューヨークのマンハッタンにあるニューヨーク美術学校（School of Visual Arts）で学ぶ。KAWS の作品に反復される目がバッテンが特徴のキャラクター「コンパニオン」は初期の活動時代に作りだされた。形而下的なキャラクターやモチーフを繰り返して公衆電話ボックスやバスの待合所の広告に書き加えることで企業広告を改変して全く違う意味にする手法「Subvertising（サブバータイジング）」を使った独特なスタイルを確立し、転機を迎える。のちにディオールをはじめとする著名ブランドともコラボレーションを果たし、ジャンルを横断した活動を拡張していく。本作品は「トンド」という15～16世紀のフィレンツェを中心にルネサンス時代のイタリアで多く制作された円形画から起因する。黒の絵具をベースとした濃淡・明暗がクローズアップして切り取られたKAWSBobの目や口元等、体の一部分を体現している。全体がつかめないことから、見ている人の想像力をくすぐる作品となっている。

カイカイキキギャラリー、東京