NEW 001

037
YOSHIMASU Gozo, 1939 -
吉増 剛造

[1] Parati+Amami I [2] Parati+Waseda III [3] Parati+Amami II

2009

Cプリント、3点

130.0 × 40.0 cm (each)

ED.5

各作品の裏にサイン、制作年、エディションナンバー

ESTIMATE :
$4,500 - $7,300
CONDITION

[1]良好だが四隅の角と所々の縁沿いにアタリあり。裏の各角付近に僅かな凹みあり。[2]良好だが、下左右の角と所々の縁沿いにアタリあり。裏の右下に黒い汚れあり。右上に接着剤の跡あり。[3]良好。右の中央付近に小さな白いスレあり。裏の所々に接着剤の跡と、右上の縁沿いに僅かなかけあり。各作品の裏にサイン、制作年、エディションナンバー

DESCRIPTION

詩人の吉増剛造(1939 - )は、1964年の第一詩集『出発』(新芸術社)以来、狭義の詩作にとどまらず、美術家の若林奮との彫刻作品や、映像シリーズ「gozoCiné」、カセットテープなどに残される音声メモ「声ノート」など、多様な領域を自由に横断する制作を行う。吉増は、1994年の詩「石狩シーツ」制作の際、夕張の廃坑前で偶然撮影した多重露光の写真を見て以来、頻繁にこの技法を用いるようになる。多重露光とは、異なる時と場所で撮影されたイメージが偶然重ね合わされることである。このように複数の時空間を重層的に表す試みは吉増の詩においても展開されてきた。1999年から確認できるパノラマ写真を、吉増はしばしば本作品のように、水平ではなく垂直の縦方向に用いる。このことを彼は「反転現象」と呼び、それが多重露光という「瞬間に起こっている記憶が指示している反転現象」に重ね合わせている。《negative handsを世田谷の烏山トンネルに運んでいった日に、……》、《チェコのプラハの路面電車を、……》といったタイトルに現れるように、吉増はこれらの異なる時と場所をどこかへ「運んでゆく」意識を持っている。フィルムという記録に残された記憶を重ね合わせ、その全ての瞬間と共に吉増は旅をしているのである。

PROVENANCE

Galeria José Martinez、リヨン
SHUMOKU GALLERY、名古屋

アセット 1