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全体的に良好。僅かに経年による表面の油の変色あり。裏の木枠にサインと制作年。
- DESCRIPTION
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山村 國晶(1942 - )は、1966年に武蔵野美術大学を卒業。大学在学中は山口長男、森芳雄、麻生三郎らに油彩画を学ぶ。また、池田満寿夫のアトリエで銅版画を制作しながら、当時いち早くアメリカ現代美術を紹介していた南画廊、東京画廊に通い、サム・フランシス、ピエール・スーラ―ジュらアンフォルメルの画家、ジャスパー・ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバーグらの抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアート運動を代表する美術家に多大な影響を受け、作品を制作。
本作をはじめとする山村の作品には画面向かって左上のパターンの始まりに、いつも自身の名前の一部である「山」の文字があり、70年代から一貫して単一の形が繰り返し描かれ、これまでの日本美術の歴史に見られなかった新たな画面構成を確立してきた。東洋的な色彩を用いて、フリーハンドで形をつなぎ、長い時間をかけ執拗なまでに幾重にも線の迷路を反復しながら描く自身のスタイルには、独自の屈強な世界観が反映されており、生命の維持や心象風景の可視化など、リズムを持った音のようにそれらは表現され、内面的な交錯を画面に投影し、現在も尚、作品を発表し続けている。