良好。全体に焼けがあり、作品左中央に3cm程度のごく軽い紙の波打ち有り。 右下にサイン、左下にエディションナンバー。

版元: Maeght、パリ

本作品は、アルベルト・ジャコメッティ（1901 - 1966）が晩年に始めたリトグラフの中でも、特に珍しい一点。彼は40年代に彫塑において追求した細長い人物描写をリトグラフで行うことは稀であった上、1950年代のドローイングにおいては、モデルのいる室内空間か、没後『終わりなきパリ』に結実する、52年以降のパリの描写が多いからである。また、女性は正面から直立した姿、男性は歩く姿を表現されることが多く、本作のような《立つ男》の例は少ない。

Henry and Betty Corwin コレクション
Wright オークション、シカゴ、2020年11月18日