NEW 005

032
Toti SCIALOJA,1914 - 1998
トティ・シャローヤ

Untitled

1960

ミクストメディア、パネルに貼付した綿布

75.6 × 101.2 cm

サイン、制作年

額装

ESTIMATE :
$3,300 - $5,300
CONDITION

右下にサイン、制作年。

四方の縁に絵の具、コットンの剥落あり。 左上部と左下部の両面に絵の具、コットンの剥落あり。

DESCRIPTION

ローマ生まれのアントニオ (トティ)・シャローヤ (1914 - 1998) は、弁護士としての経験を積んだ後、1937年から芸術家としてのキャリアをスタートさせる。1949年には、ニューヨーク近代美術館で開催された「20世紀イタリア美術展」に招待されるなど、戦後イタリアを代表するアーティストとして国際的に活躍した。トティの画業に一貫して通底しているのは、ジェスチャーや素材の物理的特性、さらにはそれらに付随する哲学的特質も含めたダイナミックな実験である。戦後、パリに移り住んだトティは、ネオ・キュビスムやマーク・メイキングの表現に影響を受ける。その後、1950年代にかけて、表現主義から分析的キュビスムや純粋抽象主義へと進んでいき、50年代後半には、多様な技法を用いてひとつの表面から別の表面へ着色顔料を転写する最初のインプロンテ (刷り込み) 作品を制作し始める。絵筆は用いず、雑巾を使ってさまざまな素材に顔料を付着させることから始まり、その後、紙の刷り込みの性質を探求するに至る。この芸術的発展は高く評価され、1960年代にはヴェネツィア・ビエンナーレに何度も出品されるなどした。

本作品は、リズミカルなジェスチャーが内省的な世界を作り出すトティの実践を示す一例である。マーク・メイキングの実践は、従来の技法を排し、顔料を転写するプロセスと転写に用いる素材との関係に重点を置いている。トティは、イーゼルや油絵具、馬毛の筆という伝統を捨て、顔料を紙から木綿の布に押し付けることで、過去から培われてきた慣習への拒絶の意を表した。この新しいマーク制作のプロセスは、流動的な人生における衝動性、即時性、無作為性をとらえたもので、古臭い堅苦しさや人為的なものは介在しない。トティは自身の実践において、「ジェスチャーの意味ではなく、ジェスチャーの方法を知る」ことをその根底に置いていると述べている。本作品のうねるようなジェスチャーの跡は、アーティスト、顔料、メディアの間の、決して再現することも繰り返すこともできない特異な瞬間をとらえている。

PROVENANCE

Marlborough Galleria d'Arte (ローマ)

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