NEW 006

013
Achille PERILLI,1927 - 2021
アキッレ・ペリッリ

La rugiada del pellicano

1960

ミクストメディア、キャンヴァス

100.0 × 81.0 cm

サイン、制作年 裏にサイン、タイトル、制作年

額装

ESTIMATE :
$5,200 - $8,400
CONDITION

良好。
右下にサイン、制作年。裏の左上にサイン、タイトル、制作年。
経年による多少の劣化は見られるが、概ね良好。

DESCRIPTION

PROVENANCE
サザビーズ (ミラノ)、1991年11月26日
個人蔵 (日本)

ローマ出身の前衛抽象画家、アキッレ・ペリッリ (1927-2021) は、戦後イタリアの美術運動に活気をもたらした。文学を専攻し、かのジョルジョ・デ・キリコ (1888-1978) の作品ついて論文をまとめる。その後、ペリッリは美術の道へと進み、1947年には、波紋を呼んだイタリア美術運動〈Forma 1 (フォルマ・ウーノ)〉の創設メンバーの一人となる。ペリッリも署名者に名を連ねたそのマニュフェストの中で、フォルマ・ウーノは形式主義とマルクス主義の両側面を備えた運動であると宣言している。同グループは、具象画を通俗的で順応主義的であると否定することで、第二次世界大戦後のイタリアを革新し、活性化させようと試みた。同運動は成功し、1950年代になるとペリッリの作品はヨーロッパ中で広く展示されるようになった。

ペリッリが名高きテルモリ賞を受賞した1961年、フォルマ・ウーノは解散することになる。その前年の1960年に制作された《La rugiada del pellicano (ペリカンの露)》は、初期に代表されるペリッリらしい抽象的な作風を示している。淡い色調と切り込まれたマークは、芸術、階級、貧困、破壊、そして再建の関係をアーティスト達が模索、探究していった1950年代から60年代のイタリア美術を象徴している。

その後の20年間で、ペリッリはこの初期の自然主義的な形式から離れ、より抽象的で幾何学的な作品へと移行していく。この後期のスタイルは、鮮やかな色彩の平面の中に複雑なパターンを描いた長方形が印象的な《Il privilegio dell'oscurita (暗闇の特権)》に如実に現れており、1970年代には彫刻家や建築家としても活躍していた自身の他の作品に影響されたものと思われる。《Il privilegio dell'oscurita》の形式は、建築図面における形の相互作用に通ずるものがあり、同時期のイタリア都市の急激な発展についてのコメントとも見受けられる。このような抽象画への傾倒により、ペリッリは抽象画の巨匠として称賛されるようになり、1997年には名誉ある「Premio Presidente della Repubblica (イタリア共和国大統領賞)」を受賞する。

この2つの作品は、自然主義的なスタイルの抽象画から活気に満ちた幾何学的な形式の抽象画まで、ペリッリの画業において極めて重要でありながら対照的な様式を表している。ペリッリは、常に躍進し続け、戦後イタリアの絵画、彫刻、詩、建築を独自のスタイルで活気づけた。これは、一人の巨匠の人生における2つの重要な瞬間の作品を手に入れることのできるとても貴重な機会と言えるだろう。

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